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カテゴリー:シモーネ・カペッチ
マルケ州の土着品種であるペコリーノ種を復活させ、イタリアワイン評価誌「ガンベロ・ロッソ」でペコリーノで初の最高評価トレビッキエーリを獲得した第一人者
ペコリーノが姿を消した当時のサン・サヴィーノ当主ドメニコ・カペッチも、このブドウについての知識はなかった。
しかしドメニコはある日、内陸の村アルクアータの標高700mを超える山の上のワイナリー跡地に、樹齢100年の土着ブドウの古樹が現存しているという噂を耳にし、興味をかきたてられた。
「この土着ブドウのポテンシャルがどれほどのものか知りたい」
彼は、一個人の趣味ではなく、マルケに受け継がれたペコリーノのポテンシャルを公明正大に証明しようと決め、この古樹からマサルセレクションで約80km離れた自分の畑に接ぎ木した。
1990年にマルケ州政府の支援を取りつけた彼は、トレッビアーノやシャルドネ、リースリングなど、国内外の主要な白品種とペコリーノの比較実験を開始。栽培はサン・サヴィーノが、醸造・分析はマルケ州が担当した。
3年に渡る実験の中、州政府の後ろ盾のおかげでつぶさにブドウを観察し、成分分析を行うことができた。